第二回「スナックファンタジスタ」に参加させてもらったことがきっかけで、成立したこの企画。
初回の記事(【特集】メンズエステ解体新書 Vol.1)でファンタジスタさんの企画の意図や、メンズエステ経営に関わる考え方などを語ってもらいましたが今回は「セラピストに対しての考え方①」に特化した内容をまとめた記事になります。
初回に続き、熱く語っていただきましたので是非ご覧ください。
「Fantasista的セラピストに対しての考え方①」
—ファンタジスタで仕事をする人間はスタッフもセラピストも分け隔てなく仲間意識を持ち、さらにはその仲間たちの人生も考えながら仕事をするその真意とは何なのでしょうか?
F:真意と言えるかどうかはわかりませんが、我々、運営サイドから見るとその方が同じ仕事をするにしても実りが多いというのが結論です。
「実り」というのはなにも「利益」に固執した話ではありません。まだオープン2年の弱小店がスタートアップの段階で生意気な意見かもしれませんが、お金に変えられない「Priceless」の部分を粘り強くメイクし続けることで徐々に組織の真価が表面化、さらに浸透し我々に好機をもたらせてくれるのではないかと信じてます。
—話の途中で「利益」を追求しているからこそこのような体制を作っているのだとばかり思ってましたがファンタジスタさんが考える「Priceless」の部分とは具体的にどういうことでしょうか?
F:大げさに言うと女性1人の人生を好転させることです。
「人生」というスパンで考えた時にセラピストたちがこのメンズエステで仕事をする期間は非常に短いものだと思います。その時間の中で「この店舗に出会えて良かった」また「この人たちと一緒に仕事ができて人生がプラスに好転した」「仕事に対する考え方が変わった」と心底感じてもらい人間的に成長させることができればそれはその女性にとって紛れもなくpricelessと言えまよね?
スタッフは一枚岩なので、誰一人離れたことはありませんが、悲しいがなセラピストについては出会っては別れての繰り返しですので、超絶お節介な我々は自分たちの存在意義を実感するためにも、別れるセラピストの人生に対して「頭おかしいスタッフ達だったけど今までで一番仕事が楽しかったし自分も成長できたんじゃないかな」という強烈な印象を爪痕として残したいのです(笑)
—おっしゃっているニュアンスは十分理解できますが、店舗を離れて行くセラピストに対して強烈な印象を残そうとするのでしょうか?
F:セラピストが「いい店舗だったなぁ…」と物思いにふけるのはだいたいは退店が決まった際、自分の総括の中で出てくる気持ちだと思います。一度は同じ時間を共有して共に戦った仲間なので「フィールドは変わるけど俺らずっと仲間な!」的な意味合いが強いですかね。
これは我々の体質なのかもしれませんが、単純に店舗を去っていく女性に対して「一生懸命だけど愉快なやつらだった」という印象を残しておきたいんです。
彼女たちに「成長とかそういうのは余計なお世話だよ」と言われれば本当にそこまでの話なのですが、メンズエステという業界を引退し、次のステージでさらに輝けるよう「仕事は楽しいんもんだ」という感覚を在籍期間内に養うことができれば「お金」以外の部分でも「我々と共に歩んだ時間」に対して意味が出てくるだろうし、メンズエステを引退した後も何らかのカタチで繋がっていることができると考えています。
そのことをスタッフ自身が念頭に置きながら日々仕事をしていると、セラピストたちへの接し方や話の内容がより濃くなることもメリットの一つですし退店後であっても「メンズエステで仕事をしたい」という女性を紹介してくれるかもしれません。
さらには我々がなかなかリーチ出来ない部分の新たなビジネスのチャンスが転がってくる可能性だって十分に考えられます。
ほら、実りが多くないですか(笑)
—確かに実り多そうです(笑)「仕事が楽しい」ものになればそれだけで人生がうまくいく可能性が一気に上がりますよね。私もこれがやりたいと思って起業したのですごく良く理解できます。ただ、退店していくセラピスト全員がそういう感覚になるのは難しい気がしますが…。
F:はい。おっしゃる通りでセラピスト全員をその気持ちにさせるレベルには到底至っておりません。口ではサラッと言えますが、これを実現させることができたセラピストはまだまだほんの一部です。
一番残念なのは在籍中に魅力を引き出してあげることができず、コミュニケーションもままならない状態で店舗を去っていってしまうケースです。
この時ばかりは本当に「無力」を感じますね…。
—同じように感じている他店のオーナーさんや現場スタッフの方は多そうですね。逆に過去の成功例などはどういったケースがあるか教えて頂けますか?
F:当然、セラピストのココロの中までは見えないので、ココロの声を可視化し、記録に残すため最近は卒業するセラピストに任意で「卒業論文」を書いてもらっています。
実は、今日持ってきているこの花束はこのインタビューの後に行われる「鎖骨美玲」というセラピストの卒業式で渡すものなのですが彼女も「卒論」を書いてくれたうちの一人です。

その他には同時期にメンズエステの業界を引退した「開脚まゆ」の卒論などがあります。
https://mensesthe-ebisu.hatenadiary.jp/entry/mensesthe-ebisumayu
この文章の内容が本当の彼女たちの気持ちかどうかはわかりませんが、少なくとも店舗に対して前向きな気持ちがなければ自分の時間を削ってまでわざわざ書いてはくれないと思いますのでこういう記事は店舗にとって財産となります。
また、彼女たちが在籍をしてくれていた期間内にしっかりとお互い向き合えていたんだなという実感に繋がりスタッフの自信へと変わりますね。
—奥行きのある内容のお話だと感じました。これからもその考え方をブラさずに「メンズエステを通して自身が成長した」と感じる女性を増やして欲しいです。
F:簡単なことではないのですが、一人でも多く人生を好転させるお手伝いができるように精進します。
次回は、「Fantasista的セラピストに対しての考え方②」をお届けします!